文芸

ヤマギワは本でできている

日本の近現代を追体験できる一大絵巻。「邯鄲の島遥かなり」(貫井徳郎著・新潮文庫)

やっと読み終わった…。「この本、すごいよ!」と知人にすすめられ、正月休みを使って読了しようと意気込んだのだが、甘かった。文庫本は上中下巻。なんと2000ページ超えだ。「書けることこそが作家の才能」と昔聞いたことがあるが、その言い伝えを体現す...
ヤマギワは本でできている

息詰まる対戦に注目「盤上の向日葵」(柚月裕子著・中公文庫)

柚月裕子さんといえば、白石和彌監督作品「孤狼の血」の原作者だということは知っていたが、作品を読んだのはこれが初めてかもしれない。2007年に「山新文学賞」に入選したのが出発点となり、以降数々の賞を受賞。この作品は2018年本屋大賞の2位に選...
こころみマガジン

平穏と狂気が重なり合う芸の道。「仏果を得ず(三浦 しをん著・双葉文庫)」

「大阪の本屋と問屋が選んだほんまに読んでほしい本」2014年選定作、らしい。その評価違わず、ほんまに読んでほしい。稀代の書き手、三浦 しをんさんが描く文楽の若手太夫の物語だ。仏果を得ず(三浦 しをん著・双葉文庫)若手太夫・健は、ある日人間国...
文芸

名前に込められる思い。「君の膵臓をたべたい」(住野よる著・双葉文庫)

映画も大ヒットした。10代の若い女性が病気で亡くなる というテーマは 「世界の中心で愛を叫ぶ」の二番煎じじゃないか。 なにせセカチューは長澤まさみさん、綾瀬はるかさんという世代を代表する女優を生み出したコンテンツなのだから、マネタイズにはも...
ヤマギワは本でできている

不幸せの先の清涼感。「イノセント・デイズ」(早見和真著・新潮文庫)

これは確かプロゴルファーの吉田弓美子選手がツイッターでおすすめしていて知った。「イノセント・デイズ」(早見和真著・新潮文庫)産婦人科医の丹下のもとには、堕胎を望む人が訪れる。田中ヒカルもそのひとりだ。ヒカルが義父に虐待され、子どもを産む自信...
ヤマギワは本でできている

人間って、生臭い。「女子的生活」(坂木司著・新潮文庫)

NHKでドラマになり、話題を呼んだ本。「女子的生活」(坂木司著・新潮文庫) 本のデザインもカワイイ。この本の世界観によく合っていると思う。この本をすでに読んだ知人に「どうだった?」と聞いたら「いつもの感じだよ~」と返された。 いつもの感じと...
ヤマギワは本でできている

マウンドから見た風景は絶景だった。「虹のふもと」(堂場瞬一著・講談社)

堂場作品は警察ものとかもあるのだが、やっぱりスポーツものが好きだな。「虹のふもと」(堂場瞬一著・講談社)メジャーでも活躍した川井投手は45歳になって、ハワイの独立リーグで投手を続けている。そこへGM補佐として就任したのが、離婚してから長年会...
ヤマギワは本でできている

テクノロジーのなかにあるぬくもり。「マレ・サカチのたったひとつの贈物」(王城 夕紀著・中公文庫)

「この本はラブコメディだ」「この本は推理小説だ」といった明確な分類をすることができないでいる。近未来のテクノロジーをふんだんに使っているのでSFともいえそう。それに…認めたくないが確かにファンタジーの雰囲気もある。人によって好みの分野とはあ...
ヤマギワは本でできている

重い愛、残酷な才能。「雪の鉄樹 」(遠田潤子著・光文社文庫)

全然関係ない話だが、先日相棒season12 第13話「右京さんの友達」を再放送で見た。ファンの間では神回と言われており、私自身も甲斐亨時代では一番の傑作だったと思う。杉下右京の若き相棒・甲斐亨が初めて「右京さん」と呼び、右京に毒島という心...
ヤマギワは本でできている

深読みの楽しみ、ここにあり。「美貌のひと」(中野京子著・PHP新書)

同じ著者の作品で「怖い絵」という本がとても評判なのだが、テレビで見かけるたびになぜ大衆的とは言えない絵画を扱った本が広く支持を得られるのか、不思議に思っていた。でもこの本を読んだら、その秘密がわかった気がした。「美貌のひと」(中野京子著・P...