世界を変える?「IOWN」のココがすごい

こころみマガジン

先日、光量子コンピューターの記事を書いた。

この記事の中で、真山仁さんの著作「タングル」を紹介した。

ストーリーには光量子コンピューターの開発が盛り込まれ、古澤 明氏をモデルとする人物が登場する。

実際に古澤氏は、光量子コンピューターを開発しており、光量子コンピューターの実用化を目指すOptQC株式会社のボードメンバーでもある。

作品の中でも、会社立ち上げまでの経緯に触れていた。

光量子コンピューターにも関係するNTTの構想に「IOWN(アイオン)」がある。

NTTというと伝統的な企業というイメージがあるが、「IOWN」によってプラットフォーマーへと変革しようとしている。

次世代基盤「IOWN」とは?

IOWNは、NTTが開発する次世代通信基盤技術。NTTが得意とする光技術を軸とした次世代の通信・コンピューティングインフラだ。

「光」というと「フレッツ光」のようなインターネットに接続する光回線がある。

光回線は光を通すケーブル「光ファイバー」により、光の反射や屈折を利用してデータを転送する。

しかし接続するコンピューターは電気信号でやり取りをしているため、光装置につなぐために電気信号を変換していた。

この変換が遅延につながり、電力を消費する。

将来的にはネットワークからコンピューターに搭載されるチップも含め、全て光に置き換えることで「低消費電力」「大容量・高品質」「低遅延」を実現するのが、IOWNの構想だ。

現在のインターネットは基本的に「ベストエフォート」であり、何らかの理由で遅延が発生することがある。

それに対してIOWNの基盤では、遅延を1/200に抑え、リアルタイムで映像を転送できることを目指している。

大阪・関西万博では、IOWNが基盤として提供された。

農林水産省のブースでは、北海道大学の農場をIOWNで接続し、農場にある農機を遠隔操作する体験が行われた。

将来的には「自宅からクルマを運転して、子どもを迎えに行く」ことができるかもしれない。

特に低消費電力は、現時点で社会課題と言っていい。

AIの利用拡大により、電力消費が増大し、深刻な問題となっているからだ。

万博では、IOWNの活用により電力消費を1/8に抑えることができた。将来的には1/100に抑えることを目指している。

iモードの二の舞にはさせない!IOWNを支えるパートナー企業

これまでNTTは自社で技術とサービスを完結させてきた。完結しているがゆえに海外展開がうまくいかなかったという反省がある。

その引き合いに出させるのが「iモード」だ。iモードはAppleよりもはるかに早い時期に誕生し、携帯電話とインターネットをひとつのプラットフォームにまとめた、当時は画期的な構想だった。

日本では大成功するも、海外に普及させることができなかった反省を踏まえ、国内外の企業と共にIOWNの開発をしていくことで、海外にも普及させようとしている。

そのパートナーの一社が、冒頭で紹介した光量子コンピューターを開発するOptQC株式会社だ。

NTTが長年培ってきた光技術を融合し、共に光量子コンピューターを実用化を目指すというもの。

言語の壁もあって、日本初のグローバルな基盤はなかなか難しかったが、光の分野なら可能性ありそう。

これからも楽しみだ。