リモートワークはもうオワコン?!未来の働き方を考える

こころみマガジン

2020年の4月に「緊急事態宣言」が発令されたが、それよりも前にいち早くリモートワークを導入したGMOインターネットグループが、在宅勤務を完全に廃止した。

■GMO、在宅勤務を廃止 熊谷正寿会長兼社長「トータルではマイナス」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC148GS0U6A710C2000000/

緊急事態宣言も、もう6年前のことなのか。

同社が在宅勤務を廃止する理由というのが「時間当たりのパソコンのタイピング数が減ったから」というのが腑に落ちない。特にここ1年はAIの普及によって、手を動かす作業は減少していると思うのだが…。

とはいえ同社だけでなく、リモートワークを本格的に導入しオフィスの面積を縮小した企業でも、人が戻り始めていると聞く。

はたしてリモートワークはこのまま衰退してしまうのか?リモートワークの功罪を考えていきたい。

リモートワークの今

リモートワークはこのまま衰退してしまうのか?結論からいうと、リモートワークは残り続けるだろう。

優秀な人材を全国から、いや全世界から採用したいという志向の企業は、おのずとリモートワークありきになるからだ。

私がお話を聞いたある企業は、海外に拠点があるわけではないが、海外の人材を現地で採用している。

企業にとっては海外の潤沢な労働力を活用できるし、海外の人材は国を離れることなく、条件の良い日本企業で働くことができる。

だから仕事のコミュニケーションは英語になるらしく、日本人メンバーも語学力が飛躍的に向上すると聞いた。

私はこの記事をWordPressを使って書いているが、WordPressを提供するAutomattic社は世界中のどこで働いてもよいルールとなっている。世界中を旅しながら働いている社員もいるらしい。

この本を読んだのは、2018年のことで、そのころはまだリモートワークがこれほど社会に浸透するとは思ってもみなかった。

「Automattic社って特殊な会社だからリモートワークができるんだな」という感想しかなかったのに、皮肉にもコロナ禍という暴力的な出来事によって、リモートワークが日常になった。

私自身、フリーランスなので事務所兼自宅で仕事をしているが、生活と仕事の境目が薄い。

仕事をしながら、洗濯したり、掃除したり、区役所に行ったりできるのが、助かる。

特に子育て世帯や介護世帯では、突発的に生活を優先したい事態が発生するから、仕事をする時間を柔軟に決められるリモートワークはありがたい。

生活と仕事を分けないと集中できない人がいる一方で、生活と仕事を融合させることでQOLが上がっている人もいるということだ。

リモートワークは管理が大変                                                                           

GMOグループも廃止理由として挙げるように、リモートワークで問題視されがちなのが「生産性」。

要は「リモートワークでサポっているのではないか」という疑いといえる。

だからリモートワークは管理者が大変だと思う。

隣の席にいたら何となく様子がわかるが、離れた場所にいると、大変な状態になっているのか暇なのか、よくわからない。

そのため、オフィス以上に細かく管理して、お尻を叩いたり、フォローしたりできる状態にしなければならないのだ。

知人の会社では、PCの操作状況を逐一モニタリングするツールを導入するのだそうだ。

PCにいつログイン・ログオフしたのか、どんなアプリケーションをどれだけ操作していたのかがわかる。

またリモートワークを推進している会社をいくつか取材したが、始業から終業まで、チーム内でマイクをつなぎっぱなしにしている会社が多かった。

いつでもコミュニケーションでき、さぼりにくい仕組みを確立しているのだ。

でも、そもそも仕事なんてすこしぐらいさぼってもいいのではないか。

PCの操作を逐一監視されるなんて、窮屈じゃない?

私もかつて大きなプロジェクトのリーダーをしていたが、普段はさぼりぎみでも本当に大事な局面で馬力をかけてくれる人はありがたかった。

そのようなことを取材の時に言ったら

「誰もが優秀な人ではないのです」と返答が。

ほっておいてもチームに貢献できるように仕事ができる人もいれば、細かく管理しなければいけない人もいる。と聞いて確かにと思った。

結果、離れたところで仕事をしている人は、それなりに管理しなければいけないということか。

リモートワークは生産性が下がるのか  

「リモートワークは生産性が下がるのか」というと、答えはNoだと私は考える。

出勤としても、地方の支社の人と一緒に仕事をするのであれば、やっぱり離れて仕事をすることになる。

オフィスにいた方が仕事に集中できるというのはその通りだと思うが、家でも集中力を高める工夫はできる。

先ほどご紹介したように、全ての人がリモートワークになっている会社の場合、マイクをつなぎっぱなしにして仕事をしているケースが多いように見受けられる。

必要な人とコミュニケーションできる仕組みさえ整備されていれば、生産性は維持できるのではないか。

コロナ禍を境にして、デジタル化が進んだ。取材をして多くの企業から話を聞くと、デジタル化は確実に業務改善につながっている。

つまり、コロナ禍をきっかけに「リモートワークでも業務が回るようになるにはどうすればよいか」を工夫した結果、生産性が向上するということだ。

しかし、リモートワークではチームの一体感が失われるのは否めない。

緊急事態に対して、その緊急性を速やかに共有し、綿密に声をかけあって1秒も速くゴールに向かう仕事に対しては同じ場所で仕事をした方がよい。

GMOのポイントとなった生産性も「チームワークを高める」という部分に重きを置いた結果なのではないか。

それでもリモートワークは続けてほしい

それでも場所の制約を受けずに仕事をできるというのは、働きやすさにつながると考える。

働きやすさの観点でいえば、建設現場や店舗運営など、出勤をしなければ仕事ができない人との差別になるという意見もある。

しかし、そうした職場でも週に1日は後方支援でリモートワークするというやり方もできるはずだ。

以前、私が取材した工場では、全自動になっていて人がまったくいなかった。管制室で数人がタブレットを見て、不具合があればタブレットで対処できるようになっている。

「今はネットワークの関係でできないが、いずれは家で仕事ができるようにしたい」とのこと。

エッセンシャルワーカーでも、週に1日ぐらいはプライベートと仕事が融合する機会があった方がメリハリがつくのではないか。

テクノロジーの進化によって、リモートワークできる範囲がどんどん広がってほしいなあと思う今日この頃。