アッツアツの鴨だしスープが魅力。「中華そば しば田」(東京都調布市)

京王線の仙川駅。昔はよく仕事でこの周辺に来ていたのだが、閑静な住宅街ながら、駅前には個性あるお店もたくさんあり、住みやすそうだなあと好印象を常々抱いていた地域だ。

その住宅街をうねうねと10分ほど歩き、「こんなところに本当にラーメン店があるの?」と不安になり始めた時に現れる行列。

「中華そば しば田」(東京都調布市)

このところ、本当にラーメン店のレベルが全体的に上がっている。そこそこウマく、でもどれも似たような味ということが多くなってきた。ラーメンってもともとそういうものだし、もちろんそれでいいんだけど、やっぱり個性のある店には惹かれてしまう。
しば田_外観
でもこの店は「王道の中華そばでもこれだけ差が出せるんだぜ~!」という実力を見せつけてくれる。

行ったのは土曜日の10時半ぐらい。1時間は待ったと思う。ようやく店内へ。

席に座るといろいろなダシが見える…!奥には安心と信頼の三河屋製麺の箱。これは期待できるというもの。

しば田_店内

味玉中華そば 880円

しば田_ラーメン
わ~さすがのビジュアル。桜色のチャーシューに緑のカイワレ、澄んだスープ。美しいわあ。スープも鴨ダシでなんとも贅沢。角が取れてまろやかなのに、深いコク。醤油の清廉さも殺さない。やわらかく旨みも十分なチャーシューと、細くてもしっかり食べ応えのある麺との相性もばっちり。

スープがアツアツなのも大好きなところ。もともと飲み物は熱湯派で、ぬるいラーメン、ぬるい温泉、ぬるいコーヒーは耐え難い。その私の好みにきっちり応えてくれるこのスープのアツアツは不思議なことに食べ終わるまでずっと続いた。

唯一の難点は立地かなあ。調布自体は近いし行きやすいのだが、駅からはけっこう離れているので「仕事で来たついでに行ってみよー」とはなりにくい。

でもこの駅からの距離はどうやら店主の狙いらしい。その狙いとは「ワクワクしながらラーメンを食べにくる距離」だということ。そう言われると確かにそうかも。最寄り駅の利便性は高いが、そこから微妙に遠い名店ってけっこうあるよね。来る方としてもわざわざ食べに行く感がある。>>店主のインタビュー記事はこちら。

王道の醤油味中華そばを鴨という変化球のダシをうまくいかし、キラリと光るラーメンに仕上げた店主の実力を、とくと堪能してほしい。

プロフィール
提出用写真フリーライター 山際貴子 東京都中野区在住のフリーライターです。 IT系を中心に企業取材、インタビュー、コラム執筆を行っています。お仕事のご依頼はこちらからお願いします!→お問い合わせ

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