言わずと知れた阿佐ヶ谷の有名店。
RAMEN CiQUE (ラーメン チキュウ)
最寄り駅は南阿佐ヶ谷駅だが、荻窪駅や阿佐ヶ谷駅からも徒歩15分ぐらい。なかなかに立地の悪い場所にあるのだが、おすすめは阿佐ヶ谷駅から閑静な住宅街を歩いていくコース。隠れ家的なカフェなんかがあってさすがは阿佐ヶ谷という感じだ。お店自体は青梅街道沿いにある。地球の看板が目印だ。
お店の外には「10人並んでいるとおよそ30分~40分待ちです」という張り紙がある。入り口の右側に食券販売機があり、券を買って中に入る。席は左側のカウンター6席のみ。右の壁際にはソファが置いてあり、カウンターが満席の場合そこに座って待つ。そして中央は何もないスペースがただただあるだけだ。
何しろ店主おひとりでやられている超有名店、「人を雇って、このスペースにテーブル席をおけば・・・。」と私は邪悪なそろばんをはじいてみるが、店主にはまったくそんな気はないだろう。
店内はバーのようなこじゃれた雰囲気で、ビールを注文すると・・・
こんなオサレなグラスが。
ラーメンを注文すると・・・
塩ラーメン750円 ⁺焼きトマト150円 ⁺黒味玉100円
縁がいびつな形をした器。オサレすぎます。そしてこの盛り付け。美しすぎます。お店の雰囲気といい、器といい、ラーメンのビジュアルといい、美意識ありまくりです。
実は数年前最初にこの塩ラーメンを食べたとき、何も印象が残らなかった。麺、スープだけでなく、メンマ、ほうれん草、麩といったパーツまでよく考えられてるなーという完成度の高さは感じたものの、とにかく個性がない。これは塩ラーメン、醤油ラーメンの宿命かもしれない。ガツンとインパクトを出すために、魚介と肉のダシを合わせたWスープが生まれてきたんだもんね。さらに、塩ラーメンだと角が立った味になりがちだが、こちらのお店の場合はひたすらまろやか。それで余計に印象に残らないのだ。
しかし、行くたびにうまくなる。まろやかさはそのままに味に厚みが増したというか、深みが増したというか。気が付かないうちの飲み干してしまうのだ。鶏ガラベースだそうだが鶏ガラ特有の喉にくるえぐみが微塵もない。
麺はスープにあう細麺だが弾力があり食べ応えがある。軽く焼かれたトマトの甘みと酸味がまた味の変化があって楽しい。チャーシューはやわらかいが淡泊。メンマは味がしみていてうまし。そして麩がスープを吸ってじゅわっと・・・さすが若き天才と呼ばれるだけあって計算されてるのう。チャーシューはもっと脂っこくてもよいかなあ。
この日行ったのは土曜日の午後2時ころで先客は誰もおらず。が、食べているうちにどんどんきて満席状態になった。経験的には午後遅めなら行列に並ぶ必要はないだろう。
おひとりでやっているのは、調理から盛り付けまで自分で完璧にやりたいという職人気質だからではないだろうかと想像する。そしてラーメンを作るのが好きで好きでしょうがないんだろうなあ。
ところでこちらのお店には塩ラーメンのほかに、醤油ラーメンもある。濃厚白湯と魚介スープでチャーシューも使う部位が違うらしい。ならば今度行く時は絶対醤油ラーメンを食べるぞ!と決意しながらもついつい塩ラーメンをオーダーしてしまうというこの魔力。お店の世界観とともにとくとご賞味あれ。