アイドルさんタレントさんが禰豆子のコスプレをSNSにあげているのをみて、「鬼滅の刃って流行ってるんだな~」とは思っていたが、あっという間に社会現象になった。
外崎春雄監督作品「鬼滅の刃 無限列車編」
この映画はTVアニメ第26話の続編となる。炭治郎たちが列車に飛び乗るところで第26話が終わっている。映画では列車のなかで鬼と対峙する。
巷では「TVアニメを見ていないと映画についていけない」と言われている。
私は映画のプロモーションで一挙放送していたTVアニメを録画したものの、ろくに見もせずに映画を見に行ったが、話にはいちおうついていけたと思う。
しかし、後でも先でもよいのでTVアニメは絶対に見るべきだ。映画よりもストーリー構成がきめ細かくて、作品の世界観に没頭できた。漫画は読んでいないが、TVアニメの出来の良さは間違いなく現在の人気の起爆剤になっている。
ところでクライアントと鬼滅の刃の話になったときに、その方は「下の子には絶対見せない」といっていた。鬼滅の刃は、鬼の首を斬ることが悪を倒すシンボルとなっているから、自然と残虐なシーンが多くなる。
ただ、映画に関しては小さいお子さんが見ても大丈夫なように描写に一定の配慮がされているなと感じた。
「涙せずにはいられない」と聞いて期待して観に行ったのだが、泣くほどでもないかなあ。クライマックスとなる「上弦の参」猗窩座が現れたのがいかにも唐突。もっとストーリーを練ってほしかった。
そして最後の若者へのメッセージと思しきセリフが、前段のストーリーとつながっていないのに加えて長すぎる。物語にメッセージがあるからこそ、セリフが生きると思うのだが。
・・・といってもそれはなんら問題にはならない。なぜなら恐るべき動員数だからだ。上演回数があまりにも多いので、「時刻表」と呼ばれているらしい。グローバルに広くこの魅力が伝わるといいなあ。
エンタメ王国の韓国と比較して日本は売り込み下手と言われているが、どうやったらたくさんの人に届くか、みんなで考えなければならない。
アニメというコンテンツがあるのだから、本当は自動翻訳でいいから無料配信するのが一番いいと思う。動画を入口にして認知度を高め、映画につなげていけないだろうか。Amazon Primeでアニメは全部見れるけど、日本語だけだし。
重厚感のある音楽によって世界観が際立つ。音響設備のある映画館ではその魅力も倍増。戦いのシーンも迫力があった。
仏教の世界では天国、地獄、人間界といった六道のひとつに「餓鬼道」がある。鬼として生きることで、地獄よりもじわじわと苦しむのだという。
鬼になるしかなかった鬼の悲哀は、すなわち人間の悲哀。人間と鬼が背負う業が、物語に鮮烈な光を放つ。