駒込の名店「麺処 きなり」がブランド名新たに東中野に店を構えた。
「メンドコロKinari」(東京都中野区)
2018年5月16日に移転したばかりのこちらのお店。駒込時代には「ミシュランガイド東京2018」ビブグルマンに掲載された。
古い建物ながら洗練された店構え。もともとビストロだったそうだ。駒込って超いい場所なのに。なぜ東中野?真相は闇の中だが、中野を愛する私にとって、理由などどうてもいい。よくぞ来てくれた!
ということで待つこと20分。入り口の券売機で購入する。
すると、なんと!日本酒があるではないか。しかも3種類ある。ビールも2種類。う~ん、なんて私好みの店なんだ。
飲み会タイムだ!ひゃっほう。
お通しのアサリの佃煮とつまみ用に購入した穂先メンマ(100円)、鴨胸肉(250円)。アサリのしょっぱ辛い感じが、まぎれもなくつまみだ。
鴨胸肉はクセがなく、やわらかく、それでいて肉の旨みがギュゥーッと凝縮されて弾力がある。むぅ、これはラーメンもさぞかし・・・。
味玉 Ra-men 白醤油 880円
とにかくビジュアルに弱い私は、まずこのラーメンの器でノックアウトだ。カメラでは全然表現できていないが、底の深い器で、底に向かって幅が狭くなっている。器につけられた円形の無数の筋と相まって吸い込まれるような感覚になる。
スープは角がまったくなく、まろやかでいながら厚みがある。複雑な味はせずシンプルなのに味に奥行きがある。ほのかな甘みと醤油のかすかなしょっぱさが絶妙。これが、出汁の力ってやつだろうか。
そして、三河屋製麺の麺は細いが、弾力があり、あっさりしたスープとよく合っている。
チャーシューは豚と鶏むね肉の2本立て。豚はやわらかく、脂身は少ないが、肉の旨みがダイレクトに感じられる。鶏むね肉は肌理が細かく、限りなくしっとり。
付け合わせは、軽くゆでたほうれん草と三つ葉。この三つ葉のクセのある香りが絶妙なアクセント。ほうれん草も歯ごたえが残っており、シャキシャキして楽しい。
卵はトロットロの黄身をスープに浸して食べる。
最後にスープを吸った海苔を味わいつつ、スープも飲み干す。うーん完璧だ。
Tsukemen ~煮干し 烏賊~ 880円
全ての善も悪も、愛を持ってやわらかく包み込む白醤油と違い、こちらは尖りまくり。イカが喉を襲ってくる感じ。煮干しのクセもけっこうある。この強いスープがクセになる一杯。つけ麺は太いちぢれ麺になっていて、こちらはもっちりして水分が多く、濃いめのつけ汁にはバッチリあっていた。
岩海苔がトッピングされているのも嬉しいところ。潮の匂いがして烏賊に合いますな。
ツイッター見たら、きな粉入りの衝撃的な割スープがあるらしい。なんだ言ってよ~!飲まずに帰ってしまったじゃないか。
和え玉 ハーフ 140円
ラーメン用の細麺に醤油だれを混ぜ込んだもの。薬味やチャーシューも入れてあり、なんともお得感あり。替え玉もよいが、これなら違った味を楽しめるというもの。たれも濃厚でうまし。ハーフがあるのも嬉しいかぎり。
ラーメンの名店なのに吞兵衛を受け入れてくれて、使い勝手や良し。「汐(しお)」や濃口醤油もあり、これらもおそらくウマい。そう感じさせるほどの実力店。